今回は現在検討されている贈与税と相続税の一体化に関してお話したいと思います。
以前お伝えした通り、2020年12月に与党が発表した令和3年度税制改正大綱では「資産移転の時期の選択に中立的な税制の構築に向けて本格的な検討を進める」と明記されています。
暦年贈与が全く使えなくなるかはわかりませんが、可能性が高いと言われているのが、ドイツやフランスのような一定期間の贈与を相続税と一体化しての課税です。
現在日本でも相続発生から遡って3年以内の贈与(110万までの贈与も含む)は相続税の課税資産として含まれるのですが、新制度ではこの3年以内という期間をドイツやフランスのように10年以内や15年以内に延長する可能性が高いと言われています。単純に考えると、日本人男性の平均寿命が81歳ですから、今までは79歳までの毎年110万までの贈与が非課税だったものが67歳までの毎年110万までの贈与しか非課税にならないことになります。
定年退職し、65歳になって年金をもらいはじめてしばらくたって、さてそろそろ相続に関して考えるか、といったスピード感では相続税対策の選択肢が大きく減ってしまうことになります。
上記の内容は現在検討されている段階で実際にこのようになるかはまだわかりません。ただ2015年に相続税の基礎控除が4割縮小されたように、相続関係に関しては今後増税される可能性が非常に高いです。以前別の記事で説明させていただきましたが生命保険の非課税枠の利用等、早くから相続に関して考えることが今後今以上に大切になってくるでしょう。皆さん自身のことはもちろん、皆さんのご両親や家族の資産、相続についても一度考えてみてはいかがでしょうか。
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