ノーベル賞の賞金額
2021年のノーベル賞受賞者の発表がありました。物理学賞には日本出身で米国籍の研究者・真鍋淑郎さんが決まり、自然科学3賞と呼ばれる、生理学・医学賞、物理学賞、化学賞を受賞した日本国籍の研究者は22人、真鍋さんのような米国籍の人も加えると25人になったそうです。
ノーベル賞とは、ダイナマイトを発明し多くの富を得たアルフレッド・ノーベルの遺言により1901年に創設された賞です。遺言によって、物理学賞、化学賞、医学・生理学賞、文学賞、平和賞の5つがまず設けられ、後に経済学賞が加わりました。この6つの分野について「人類にもっとも大きな貢献をした人」に毎年、賞が贈られます。
そんなノーベル賞は「世界で最も権威ある賞」の一つとも言われ、とても名誉ある賞であることはもちろんですが、受賞者には名誉だけでなく賞金も送られます。賞金の額は時代によって変わりますが、現在の賞金は1,000万スウェーデン・クローナ(約1億2,000万円)となっており、名誉だけでなく経済的にもとても大きな賞といえます。
皆さんはこの賞金はどこから出ているものなのか知っているでしょうか?
実は物理学賞、化学賞、生理学・医学賞、文学賞、平和賞の賞金は、ノーベル財団の運用益から出ているのです。(経済学賞はノーベルの遺言によってできた賞ではなく、後年になってスウェーデン国立銀行が設立した賞のため扱いが異なります。)
ノーベル財団というのは、ノーベル氏の資産を管理・運用している財団です。ノーベル財団は、選考の中立性を守るため、原則、寄付を受け入れていません。1901年から120年続くノーベル賞の賞金や授賞式の運営費は、この財団の運用益でまかなわれており、極端に言うと、ノーベル賞は財団の資産運用力が支えていることになるのです。
ではノーベル財団はどのような運用をおこなっているのでしょうか?次回簡単にご紹介したいと思います。
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