GPIFの運用に学ぶ、運用先を分散することの大切さ。

 

公的年金の積立金運用について

何度か公的年金制度に関して説明させていただきましたが、皆さんは年金積立金がどのように運用されているかご存じですか?

公的年金は現役世代から高齢者世代へ仕送りするという「世代間扶養」が基本ですが、この仕組みでは急激な少子高齢化が進むと、支え手の減少から保険料収入が減り、高齢者の増加から給付が増えることになります。年金給付に必要な収入の大部分は保険料収入や税金により賄われていますが、年金積立金を運用して得られた収入も活用されています。

 

様々な対象に投資する事し、トータルで成功する

 

年金積立金の管理や運用は「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)という独立行政法人が行っており、長期にわたって資産を保有し、債券や株式等複数の資産に分散投資をしながら安定的な運用がされています。1つのカゴに多くの卵を入れると何かあると全て割れてしまいますが、複数のカゴに卵を分散することで何かあってもリスクを分散できるという考え方ですね。どの資産にどの程度配分するかという資産構成割合も発表されており、基本は国内債券25%、外国債券25%、国内株式25%、外国株式25%とされています。収益率は2001年~2020年の20年間で年率3.61%(運用手数料控除前)です。

 

銀行預金の金利が低い中3%の運用成果というのは興味深いですね。前回私的年金を作ることをおすすめさせていただきましたが、GPIFの運用方法を皆さん自身の資産運用の参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

もしも一部が崩れても、やけどしない

最近利子支払いなどで問題になっている、中国恒大集団(EVERGRANDE GROUP)ですが、GPIFも合計96億円ほど投資していました。しかし、全体の運用残高は約186兆円あるので、全体から行けば2万分の1程度です。仮に全損したとしてもそれだけの被害で済みます。

資産運用で、全くリスクが発生しない運用というものは、現実的には困難です。(確率としては低いですが厳密には国債でも、元本や利子払いが行われなかったりすることもあります)

が、運用対象を分散することにより、一部に問題が起きても大きな損失につながらない運用をすることができます。

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