資産形成と目的

前回の記事でお金に対する「知識・考え方・スキル」を養えば資産を増やすことが可能であるとお伝えしました。

 

今回はもう少し「なぜ資産運用が必要なのか」を考えたいと思います。

皆さんは日本人の平均寿命をご存じでしょうか。2018年時点で男性81.25歳、女性87.32歳と言われています。
働いているうちは給料も毎月入るので生活に困らないと思われますが、定年後はどうでしょうか。

仮に定年を60歳とすると、少なくとも約20年は老後の生活があることになります。総務省が発表したデータによると、夫婦2人で生活するための必要資金は月に約27万円、ゆとりある生活のためには月約38万円必要という試算が出ています。つまり、ゆとりあるセカンドライフのためには、「38万×12か月=456万(1年間)」、「456万×20年間=9120万(20年間)」となり、約1億円近い生活資金が必要になるといえます。

読者の皆さんが今年30歳とします。
預金金利が期待できない今、60歳を迎えるまでに1億円貯めようとすると年間「333万」の預金を30年間続けなければなりません。仮に、年金が夫婦で年間250万円/月21万円程度と仮定します。半分の5000万円と考えても年間「167万」の貯蓄が必要になります。

現実的なものに感じるでしょうか。老後の生活をゆとりを持って過ごそうと思えばこれが現実です。
昔は銀行預金においておけば金利で資金が増えたり、長く働いていれば年功序列で給料がどんどん上がっていきました。
年金も、支給額を抑制する方向に向かっています。国に頼らない資産形成の必要があることがおわかりいただけたかと思います。

そしてここからは、資産運用のために非常に重要なことをお伝えします。

それは「心構え」です。つまらないことに思えるかもしれませんが、皆さんの資産運用が成功するかしないかの50%はこれで決まります。次の3つの項目を良く考えて決めて下さい。

  • いつまでに資金を作るのか
  • いくら資金を作るのか
  • それは何のために必要な資金なのか

 

てっとり早くお金が増える方法を教えてほしいと思われている方もいるかもしれませんが、資産運用とは宝くじを買うようなギャンブルではありません。自分が必要とする以上のお金を儲けようと思うと、人間うまくいかないものです。資産を増やすためにはこの3つの明確な目標を決めることが必ず必要になります。

今お子さんが小さい方は「子供が大学に行く18年後に学費の1000万を作る」でもいいでしょうし、「老後のために60歳までに5000万作る」でもいいでしょう。「ローンの支払いのために月々3万円欲しい」という方もいるかもしれません。このようなゴールと目的地が決まって初めて「どのような方法があるのだろう」と人は考えるものです。

資産運用、投資というのはリスクとリターンが表裏一体になったものです。だからこそなるべく安全に資産を増やすためにはこの「ファイナンシャルゴール」を設定することがどんな投資をする上でも必ず必要になるのです。まずはご自身の現状把握と共に少し考えてみて下さい。

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